午前2時の備忘録

写真を中心とした雑記ブログです_φ(・_・

【衝撃体験】行ってきました『怖い絵展』

こんばんは、けーたです_φ(・_・!!

 

行ってきました!『怖い絵展』

ポスターでちょいちょい見かけて気になってたのです!

https://www.instagram.com/p/BaBN7Aklihk/

怖い絵展に行ってきた!やばいぞ、絵画鑑賞の価値観が変わった!図録買っちゃったよ!#上野の森美術館 #怖い絵展

 

実は行ったのは公開2日後の10月9日(月)。

もっと早く書きたかったんだけど、

いろんなこと書きたすぎてぐっちゃぐちゃになっちゃってw

 

 

 

 

・・・衝撃的でした。

 

 

絵の見方が変わった。

絵自体に没頭したのは初めて。

図録買ったのも初めて。

 

 

 

絵画の知識、ほぼゼロです(絵心に至っては絶対零度)。

そんな僕がハマってしまった『怖い絵展』

オススメポイントなんかも交えつつ、書いてみたいと思います。

 

「もう今から行くの!」「時間ないの!」「おすすめだけ教えて!」

って方は、2.僕がゾクっとした絵画にお進みください!

 

1.『怖い絵展』は絵画鑑賞に新たな切り口を与えた

 

1-1.絵は、感性で?

 

うん、無理ですw 

 

なんとなく「へ〜キレ〜」が限界。

 

そんなたくさん行くわけじゃないけど、

学生時代から絵画展は年1〜2回ペースで行ってます。

 

有名な画家の名前の付いたものなんとか派(テキトーw)、

時代縛り、いろいろありました。

 

そりゃね、どれもそれなりに楽しかったですよ。

インスピで、「なんかこれ好き」

って思ってポストカード買ったりね。しましたよ。

 

でも正直、あの絵は、あの絵画展は◯◯だった、って、

語れるものがない。覚えてない。

 

『怖い絵展』は、一体それらと何が違ったのでしょうか?

 

なんで、こんなに時間が経った今も、

一つ一つの絵を、こんなにも明確に覚えているんでしょうか? 

 

 

1-2.絵に秘められた作者のメッセージを伝える『怖い絵展』

何人もの画家、写実、印象、版画、ジャンルもバラバラ。

 

が、ある一つの共通点があります。

 

それが、「恐怖」

 

見るからに怖い絵、知らなければ美しさしか感じない絵、

恐怖に引き込まれそうになる絵。

 

怖いもの見たさ、なんて言いますが、

私たち人間は本能的にそういったものに魅了されてしまうようです。

だから、多くの画家達が恐怖を描き、その絵達は名画として、

今日まで人々を魅了しているのでしょうね。

 

『怖い絵展』は、そんな画家達が絵に込めたメッセージを

受け取りに行く、そういった絵画展なのです。

 

その絵の時代背景、隠されたエピソードを読み解いて、

画家達のメッセージを受け取る。

 

それを知った瞬間、強烈なインパクトに襲われ、

気がつけば恐怖に魅了されています

 

 

作家・ドイツ文学者中野京子氏が2007年に出版した『怖い絵』

刊行10周年を記念した絵画展なんだそうです。

下のリンク、めっちゃ2016年発売だけどw

 

怖い絵 (角川文庫)

怖い絵 (角川文庫)

 

 

2.僕がゾクっとした絵画

残念ながら絵は載せられないので、タイトル/作者情報だけ!

 

とてもじゃないけど絞りきれない。。。

 

目玉の大作はあえて触れません!

会場で、ライブで、恐怖に盛り上がった終盤に、

レディ・ジェーン・グレイに、出会ってください。

そして、彼女のメッセージを受け取ってください。

 

 

2-1.ディアナとエンデュミオン / 作者不詳

感性のまま見れば、うたた寝する男に寄り添う美しい女性。

がしかし、これが違うんですね。

森の女神ディアナ人間の男エンデュミオンに恋をします。

 

しかし、人間には寿命があり、いずれ老いて絶命します。

 

彼を美しく保ち、永遠に愛すため、永遠の眠りにつかせてしまい、

毎晩眠った彼を抱きしめにいく。

 

小さくて、本当に綺麗な絵なんです。

でも、それを知ってディアナの表情を見ると、

もう恐怖しか感じませんでした。。。

 

 

2-2.そして妖精たちは服を持って逃げた / チャールズ・シムズ

イギリスって妖精のイメージありますよね。

産業革命の反動みたいなもので、こういう超自然的なものに

憧れを抱く人が増えたんだそうで。

 

森の中で、母親と幼子、服を持ち去ろうとする妖精達が描かれています。

この絵は、『ディアナとエンデュミオン』のようなエピソードが

あるわけではないんです。

 

シムズがこの絵を描いたのは、第一次世界大戦で長男を失い、

自身も戦争画家として惨劇を目の当たりにし、帰郷した年。

 

よく見ると、背景の森はやたらに暗く、

解説では母子のリアクションが弱いみたいに書かれてますが、

母親の表情、不鮮明だけど、苦しそうというか、悲しそうというか。

 

シムズはこの後精神を病んでいき、入水自殺します。

妖精が持ち去ったのは、何だったのでしょうか。 

 

2-3.クリオと子供達 / チャールズ・シムズ

こちらもシムズ。

草原で、歴史を司る女神クリオが語る物語に

子供達が耳を傾けます。

 

しかしこの絵、おかしいところが一つあります。

クリオが手にする巻物、赤く染まっているんです。

実は、描かれた当初は、この赤はなかった。

 

シムズは第一次大戦で長男を失った後に、

巻物を血の赤で染めたんだそうです。

 

歴史を司る神クリオが語る血の物語は、

子供達にどんな未来を見せるのでしょうか。

 

 

2-4.切り裂きジャックの寝室 / ウォルター・リチャード・シッカート

たしか、奇跡体験!アンビリバボーだったかな・・・。

何かのテレビ番組で見た記憶が・・・。

 

切り裂きジャック、ジャック・ザ・リッパー

 

ご存知の方も多いかと思います。

19世紀末、ロンドンの貧民街で娼婦ばかりを惨殺。

 

医者、弁護士、画家、多くの人が疑われた。

シッカートもその一人。真相は闇の中。

 

シッカートはこの事件に異様にのめり込み、

事件にインスパイアされた絵をいくつも描いてるんだそうです。

 

この『切り裂きジャックの寝室』は、

ジャックが一時住んでいたという噂を聞きつけて

わざわざ借り、そこを描いたもの。

 

この絵の前に一番長くいた気がします。

禍々しさがすごくて、見てると本当に怖くなるくらい

吸い込まれそうな感じで。

今図録を見ながら書いてますが、そう、今でもそう感じます。

 

この禍々しさはどうやって表現できたんだろう。

シッカートがジャックになりきって描いたから?

それとも、シッカートが、ジャックだったから?

 

この絵の前に立ったら、脱力して、

絵の奥をジーっと見てみてください。

 

帰ってこれるといいですね。

 

 

戦争、死、生、異界、酒、病気、性欲、狂気、

私たち人間が 長い歴史を隔てても共通して直面する『恐怖』、

これらが濃縮されています。非常に濃厚な時間でした。

 

そう、気が付いたら、絵の話じゃなくて恐怖の話になってるんですよ。

絵に込められたメッセージを読み解くっていうのは、こういうことなんですね。

 

今後また、こういったいつもと違う切り口の絵画展があったらいいなと願いつつ、

12月17日の会期終了までは、できるだけ足を運んで、

恐怖の世界に身を置きたいと思います。

 

いかがでしたでしょうか?

あいにくこの土日も雨みたいです。

こんなときは、美術館に足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

 

そのとき、『切り裂きジャックの部屋』の前でボーッと立つ男を見たら、

絶対に表情を見ないでください。

 

どんな顔で見ているのか、自分でもわかりませんから。

 

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